司法書士と弁護士の違い！報酬相場だけで選んではダメな理由

「司法書士の費用は安いみたいだけど、弁護士とどっちがいいの？」と悩む人は大勢いるでしょう。その悩みの原因は、司法書士と弁護士の違いがはっきり理解できていないからです。

ここでは、借金問題をどちらに依頼するのがあなたの人生にとって有益になるかの答えを明確に解説しています。

１．司法書士とは？簡単に解説します

司法書士の主な仕事内容は、「登記・供託」などです。私には難しすぎますが、理解できなくても全く問題ありません。債務整理において司法書士は「何ができるか」が重要なのです。弁護士と司法書士はどちらも超難関の国家資格です。

しかし、司法書士は法律相談も含め、あなたの代わりに法律行為をすることはできません。つまり、借金問題の相談はできないのです。一方の弁護士は、あらゆる種類の法律相談を受け、あなたの代わりに解決することを認められている「法律の専門家」です。

司法書士に債務整理を依頼することは、医師免許がない人に手術されるのと一緒なのです。

２．認定司法書士なら一部の法律行為が認められている

法律行為ができない司法書士ですが例外があります。ここからは債務整理のみについての解説になります。2003年の法律改正により、法務大臣の実施する試験に合格した「認定司法書士」は債務者1社あたり140万円以下の債務整理については法律行為を認められるようになりました。

しかし、ここにも落とし穴があります。もし相談の途中で借金が140万円を超えることが判明すると、ただちに中止しなくてはなりません。中止後は、あなたが再度弁護士を探す必要があります。弁護士には金額による法律の制限はありません。

さらに認定司法書士は簡易裁判所管轄の事件は取り扱えますが、個人再生と自己破産は地方裁判所管轄になるので、司法書士は書類作成やアドバイス程度しかできません。あなたが裁判所に出向き、裁判官の質問にはあなたが返答しなければなりません。

「任意整理をしようと考えているから司法書士でも良い」と思っていても、もしも140万円を超える過払い金があった場合に損するのはあなたです。

債務整理は複雑な処理や計算が必要なので、どの方法が最善なのか自分の判断で選ぶのは難しいでしょう。初めから弁護士に依頼することでトラブルは回避できます。

３．司法書士の報酬相場は弁護士とほとんど変わらない

ひと昔前は司法書士と弁護士の報酬額には、特に決まりがなく自由に金額を決めて良いことになっていました。しかし債務整理において、一部の司法書士や弁護士が不適正かつ不当な額の報酬を請求していた事に批判が高まり、日本司法書士連合会と日本弁護士連合会がそれぞれの報酬に規定を作りました。

この規定に違反すると懲戒処分の対象となるため、守っていない司法書士や弁護士が存在すれば悪徳もしくは偽物の可能性が高いです。参考：司法書士報酬指針（平成23年5月26日）、債務整理事件処理の弁護士報酬規制（平成28年8月20日）

上の表を見てわかる通り、司法書士と弁護士の報酬の規程にはさほど大きな差はありません。そして、実際の司法書士報酬の相場は弁護士報酬と比べ安めの傾向にあります。ただし、目先の料金で決めるのは大変危険です。

なぜなら、法律の制限がある司法書士は「個人再生」と「自己破産」の代理人になることができません。残念なことに、あきらかに自己破産が必要な相談者に対し、報酬目当てで「任意整理」を進める悪意ある司法書士もいるようです。

そのようなリスクを考えれば、司法書士に依頼するメリットは全く感じられません。

４．まとめ

相談者のことを真剣に救いたいと思う素晴らしい司法書士もいるでしょう。決して司法書士が悪いわけでもありません、ただ債務整理は絶対に弁護士に依頼するべきです。

司法書士は書類作成の専門家で、弁護士は法律の専門家です。あなたを借金地獄から救うには、法律に制限がある司法書士では不十分です。したがって当サイトでは債務整理の実力のある弁護士しか紹介していません。