ギャンブルで借金地獄
現在日本には500万人以上がギャンブル依存症の疑いかあることが明らかになっています。その8割はごく普通の会社員や主婦、学生、年金生活者です。(残りの2割はうつなどの症状がある)

私の周りにもパチンコで借金地獄に落ち、横領事件を起こした同級生がいます。ここでは、借金をしてまでギャンブルにのめり込んでしまう恐ろしい病気の解説とその克服法について紹介します。

1.元大相撲関脇「貴闘力」から学ぶ

最近、テレビ朝日系「しくじり先生」、日本テレビ系「ザ!世界の仰天ニュース」などのメディアで、自身のギャンブル依存症の恐怖を告白した元大相撲関脇「貴闘力」さん。ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

貴闘力さんがギャンブル依存になったきっかけは、新弟子時代に先輩の付き添いで行った初めての競馬場でした。馬券を買うつもりはなかったのですが「少しだけなら」と・・・これがなんと大当たり5,000円が40万円に。それからはパチンコ、競馬、競輪、競艇、麻雀と、ありとあらゆるギャンブルにのめり込みました。しかし、その末路は5億円を失う借金地獄になったのです。

1-1.貴闘力が失った物

貴闘力さんがギャンブルで失った物はお金だけではありません。真剣に取り組んでいた相撲は負け越し、番付も下がりました。それでも頭の中は「ギャンブルの事」のみ。お金が無ければ借金してまで。

もう誰からもお金を借りることができなくなり、やむなくギャンブルを忘れるために仕事(大相撲)に専念、すると稽古の成果が表れ相撲の番付も復活。しかし給料が入れば、またギャンブルの繰り返しだったそうです。

一度は義父に借金を肩代わりしてもらったものの、ギャンブル依存からは逃れられません。さらに野球賭博(違法)に手を出し角界解雇、大相撲の世界から永久に追放され離婚。

  • 家族(妻・息子)
  • 友人
  • 仕事
  • お金(5億円)
  • 時間
  • 信用
  • 未来
  • etc

1-2.借金地獄を脱出した貴闘力の現在の生活

大相撲追放後もギャンブル依存症は付きまといます。飲食店の経営を始めますが店の売り上げをギャンブルに使い込み、従業員に給料を払えなくなり銀行や知人に土下座。その情けなさから、ようやくギャンブルを辞めたようです。

ギャンブルを止めてから1年半たった今でも、時折ギャンブルをしたい気持ちがでてくるという。そのため毎日仕事や予定を入れ、忙しくすることで自由になる時間が無くしている。ギャンブルの情報が入ってこないようにテレビも見ないそうです。

私から見ると貴闘力さんは、借金地獄から脱出できたものの自ら足かせをはめた、まるで囚人のような生活に感じました。

2.ギャンブル依存症という病気の実態

はじめに、ギャンブル依存症は病気です。ギャンブルで勝ったときの体験が脳に強烈に刻み込まれ、「止めたくても止められない」もしくは「止めなくてはならない事に気が付いていない」というような中毒に陥っている状態です。

何よりも危険なのが本人に自覚が無い場合が多いこと。また、薬物依存症と同じように一度ギャンブル依存症になると一生完治できない人もたくさんいます。では、なぜ止められなくなってしまうのでしょうか?

2-1.ギャンブル依存症患者の脳は変化していた

正常な人とギャンブル依存症の人の脳について調べた研究結果があります。正常な人の脳は周囲の刺激に対し正常に反応します。一方、依存症患者の脳は周囲の刺激に反応が薄く、ギャンブルのみに過剰な反応することがわかったのです。

つまり、ギャンブルで勝った強烈な体験により脳が変化していたのです。これは特殊なケースではなく、誰にでも起こりえることです。実際に依存症患者の8割は、もともと平凡な一般人だったのです。

3.ギャンブル依存症チェック10問

過去1年間で下記のうち4つ以上当てはまる場合、ギャンブル依存症の可能性があります。

ギャンブル依存度チェックリスト
  1. 興奮を得たいがため、掛け金を増やしてでもギャンブルをしたい
  2. ギャンブルを途中で中断したり中止したりすると、落ち着かずイライラする
  3. ギャンブルの回数や金額を減らしたり、止めたりしようとしたが何度も失敗した
  4. 日常生活でもギャンブルのことばかり考えてしまう
  5. ストレスや不安の解消、無気力なときなどにギャンブルすることが多い
  6. ギャンブルで負けたお金は、ギャンブルで取り返せる(取り返そう)と思う
  7. ギャンブルにのめり込んでいる事を隠すためにウソをつく
  8. ギャンブルが原因で人間関係、仕事で問題が起きたり、失ったりしたことがある
  9. ギャンブルのために家族、友人、知人などからお金を工面しようとしたことがある
  10. パチンコのテレビCMが気になる

4.ギャンブル依存症は本人と家族で治療する

どれだけ苦しい借金地獄を経験しても、どれだけ反省しても、どれだけ時間が経ってもギャンブル依存症を完治にさせる治療法はないのです。

4-1.ギャンブル依存症の治療に特効薬はナシ

最近の研究によりギャンブル依存症は、うつ病、人格障害、摂食障害などと同じ「精神疾患(せいしんしっかん)」のひとつと認識されています。精神疾患は未だ解明されておらず完璧な治療法や特効薬もありません。

同じ依存症であるタバコに関しては、タバコを不味く感じさせる薬があり自然に止めることができます。しかし、ギャンブル依存症は、精神安定剤やカウンセリングなど地道な治療が必要で、一生完治しないとまで言われています。

4-2.ギャンブル依存症治療には家族の変化が必要不可欠

ギャンブル依存の治療に最も効果的な方法は、家族が変わることで本人を変え「本人に自覚させること」です。まずは自覚、そしてギャンブルのために失ったもの、家族の一員としての役割、さらにギャンブルがなくても安心できる生活を話し合います。

ただし、家族にも精神的なストレスや疲れによってうつ病になる人もいます。特効薬は無いですが病院は必要です。家族全員で依存症に向き合い、励まし戦い続けることで病気の進行を抑え、良い方向へ向かいます。

4-3.依存症は借金を肩代わりしても無意味

ギャンブル依存症の兆候でもある借金。一度ギャンブル依存症になると「借金をしてでもパチンコしたい」「借りたお金で競馬をして、勝って返済するんだ」という考えになります。

家族なら「なんとか助けたい」「やり直してもらいたい」や「近所や知人に知られたくない」との思いから借金の肩代わりをすることもあるかもしれません。しかしそれは問題を先送りにしているだけで、全くの無意味です。

しかし、ギャンブル依存症はそんな甘い病気ではありません。借金を肩代わりしてもらい本人が深く反省しても必ず繰り返します。

重要:もしも闇金に手を出してしまったら、家族の協力だけで解決するのは難しくなります。

5.まとめ

  • ギャンブル依存は一生完治しないと言われるほど、恐ろしい病気
  • 誰にでもギャンブル依存症の危険性がある
  • 依存症患者の脳は変化し、特効薬や完璧な治療法はない
  • 本人に自覚させることで、病気は良くなる
  • 借金の肩代わりをしても問題を先送りしているだけ

日本で借金をしている人口は1~2,000万人、ギャンブル依存の可能性がある人は500万人以上、そして債務整理をする人は3~500万人います。

債務整理に強く実績がある弁護士に依頼することがあなたの借金問題を解決する唯一の方法で一番の近道です。その先には必ず素晴らしい未来が待っています。