クレジットカードの任意整理

あなたはクレジットカードの任意整理で、こんな疑問や不安を感じていませんか?

  • どれくらい減額される?ショッピング枠でも大丈夫?
  • 何年クレジットカードを作れなくなるの?
  • 任意整理していないカードは使える?

または、「ブラックでも作れる審査が甘いカード会社を知りたい」と思っていませんか?

クレジットカードは生活費、公共料金、ネットショッピングなど、多くの支払いでとても便利に利用できます。

思わぬ出費が重なり、現金が足りなくなった時には、なくてはならない存在かもしれません。

ただ、任意整理でクレジットカードは使えなくなっても、支障のない生活を送りながら借金の完済を目指す方法もあります。

月々の返済の負担は大幅に減り、家族や子供に影響することなく解決できます。

ここでは、「クレジットカード任意整理の効果と注意点」と「クレジットカードのない生活の送り方」を解説します。

あなたはクレジットカードの任意整理について正しい知識が備わり、借金完済へ一歩近づくことができます。

1. 任意整理でクレジットカード返済の負担は確実に減る

まずは任意整理を行った場合の、大手クレジットカード会社の対応事例をご覧ください。

カード会社 任意整理後の分割回数 過払いの可能性がある借り入れ
三菱UFJニコス株式会社
三菱東京UFJ銀行
60~100回(5~9年)
※100万以下は原則60回以下
平成19年以前
(日本信販)
三井住友カード株式会社
三井住友銀行
60~84回(5~7年)
※100万超えは84回以上も可
なし
株式会社クレディセゾン
みずほ銀行
60~100回(5~9年)
※100万以下は原則60回
平成19年以前
株式会社セディナ
信販/三井住友銀行
原則60回 (5年)
※状況に応じ84回(7年)
平成19年9月以前
株式会社オリエントコーポレーション
信販会社
原則60回 (5年)
※収支計算書の提出などで80回(7年)
平成19年3月以前
株式会社ジャックス
信販会社
原則60回 (5年)
※状況に応じ100回くらいまで
平成9年2月以前
株式会社アプラス
信販会社
原則60回 (5年) 平成19年以前
株式会社エポスカード
信販会社
60~80回(5~7年) 平成19年3月以前
楽天カード株式会社
銀行/信販/消費者金融
60~120回(5~10年) 平成19年以前
(楽天KCカード)
イオンクレジットサービス株式会社
イオン銀行
原則60回 (5年)
※状況に応じ60回以上も可
平成18年以前
ライフカード株式会社
信販系だが消費者金融アイフルの傘下
原則60回 (5年) 平成19年以前

上記カード会社では、任意整理によって「将来利息のカットが認められ、残りの借金を5年程度の分割払いで完済を目指す」というケースが多く報告されています。

特に、銀行系カード会社は支払回数が多かったり、過払い金の返還率が高かったりと比較的柔軟な対応をしてくれています。

1-1.「返済期間の延長」と「将来利息のカット」で月の負担は減る

ほとんどのクレジットカードの分割払いは、最長でも24~36回が設定されています。

単純計算で100万円を24回払いにすると、ひと月あたり41,667円になりますが、任意整理で60回払いが認められれば16,667円に減額されます。

※リボ払いは返済回数の上限は決まっていませんが、金利は分割払いより高く設定されています。また、借り入れ期間が長ければ長いほど、利息が発生してしまうデメリットもあります。
利息
(金利)
月の返済額
(うち利息)
総支払額
(うち利息)
あり
(15%)
23,789円
(7,122円)
1,427,378円
(427,378円)
なし
(0%)
16,667円
(0円)
100万円
0円

上の表は、100万円を60回の分割で支払う場合に「利息あり、なし」の差をシミュレーションしたものです。

金利15%の「利息あり」の方は、返済額の約1/3が利息分であり、完済するまでに42万円も多く払わなくてはなりません。

任意整理による「返済期間の延長」と「将来利息のカット」は、借金の完済にとても効果的だとわかります。

1-2. 過払い金が発生していれば借金そのものが減る

引き直し計算で過払い金が発生していれば、任意整理のさいに返還手続きも同時に行います。

取り戻したお金で借金が大幅に減ったり、過払い金で完済できたケースも少なくありません。

ただし、クレジットカードで過払い金請求できるのはキャッシング利用時のみです。

  • ショッピング:立替手数料
  • キャッシング:利息

利用する側からすれば手数料も利息も同じように感じますが、ショッピングは利息ではないので返還請求ができません。

さらに、金利が高いリボ払いを利用していれば、より多くの過払い金が発生している可能性が考えられます。※詳しくは「リボ払いの過払い金」をご覧ください。

過払い金の時効は「借入開始から10年」と勘違いする人が多いですが、正しくは「最終取引日から10年」です。

多くの消費者金融や銀行がグレーゾーン金利を撤廃し、金利を引き下げたのが2007年頃になります。※完全撤廃は2010年6月18日

ですが、撤廃から10年後の2017年以降でも、返済や借入などをしていれば、その取引日から10年間は過払い金を取り戻せる可能性があります。※詳しくは「過払い金の消滅時効10年」をご覧ください。

1-3.「翌月一括払い」の悪循環も改善できる

利息がつかないというメリットから「翌月一括払い」を利用している人も多いかと思います。

しかし、食費や光熱費、家賃や公共料金など、生活のほとんどをクレジットカードで支払い、翌月の給料はカードの請求分でなくなってしまう。

そして、臨時出費などが重なってキャッシングやカードローンに手を出してしまうケースも増えています。

この悪循環に一度はまってしまうと、抜け出すのは難しくなり、状況は悪化する一方です。

毎月の返済額が大きくなってしまった場合にも任意整理は有効な解決策になります。

1-4. クレジットカードがなくなると月3.4万円の節約ができる!?

クレジットカード会社JCBの調査で、「クレジットカード保有者は非保有者の平均生活費を3.4万円上回る:PDF」というデータが発表されています。

つまり、クレジットカードを持つことで「月3.4万円も余計に使ってしまう」ということです。

これはクレジットカードの特徴でもある「現金を扱わない、後払い、支払いは月に1度」という、お金を使うことに対してのハードルが下がることが要因だと考えられます。

裏を返せば、クレジットカードを持っていない人は「現金が減る」という心理的ダメージが大きいため、無駄遣いしないと言えます。

任意整理によって、すべてのクレジットカードは使えなくなり、その後5年間は作ることもできなくなります。

しかし、「借金できない状況になることで確実に完済する」と考えると、とても前向きな方法なのです。

2. 債権者を選ぶときに注意すること5つ

任意整理は、「対象とする債権者を選べる」というメリットがありますが、安易に選んでしまうと思わぬ結果を招きます。

ここでは東京UFJニコスのリクルートカードを例に解説しますが、会社によって対応が異なるので、すべての状況にあてはまるわけではありません。

また、銀行や貸金業者の吸収合併は常に行われていて、複雑です。

個人での判断は難しいため、弁護士に「すべての借金、預金口座、クレジットカード」を伝えて、的確な指示やアドバイスをもらいましょう。

2-1. カードの利用枠や支払方法で選ぶことはできない

カード名 利用枠 支払方法
リクルートカード ショッピング
キャッシング
カードローン
1回払い
2回払い
分割払い
ボーナス払い
リボ払い

上記のケースで任意整理する場合、「キャッシング枠だけ、分割払いの分だけ」のように利用枠や支払い方法で選ぶことはできません。

そのため、ショッピング枠で購入した未払いの商品は、引き揚げられる場合があります。

ただ、引き揚げにも手間がかかるため、日用品や生活雑貨などの低額商品は可能性が低いですが、ブランド品や家電家具などの高額なものは確実に引き揚げられると考えてください。

引き揚げられたくない商品があれば、任意整理から除外して返済を続ける必要があります。

2-2. 同じカード会社が発行するクレジットカードも任意整理の対象になる

三菱UFJニコスが発行するクレジットカードの一例

  • リクルートカード
  • DCカード
  • JAカード
  • JALカード
  • MUFGカード
  • NICOSカード
  • VIASOカード

任意整理は会社単位で行うため、リクルートカードを任意整理すると同じ三菱UFJニコスが発行するクレジットカードもすべて対象となります。

カード会社最大手の三菱UFJニコスは、100種類以上のクレジットカードブランドを発行しています。

「リクルートカードだからリクルートでしょ?」と思い込んでいると、「除外しようとしていた他のカードも任意整理することに…」となってしまいます。

そのため、持っているクレジットカードの発行会社を確認をしておきましょう。

また、任意整理を弁護士に依頼すると受任通知が送られて取り立てはストップします。

クレジットカードの場合も同様の流れになりますが、銀行の対応が間に合わないため、しばらくの間は引き落としが続いてしまいます。

引き落とし口座の残高をゼロにしておくか、銀行で自動振替停止の手続きをすると安心です。

2-3. グループ会社の借金も任意整理の対象になる

金融機関、貸金業者 商品名 借入残高
三菱UFJニコス リクルートカード
(クレジットカード)
30万円
株式会社クレディセゾン セゾンカードインターナショナル
(クレジットカード)
10万円
プロミス フリーキャッシング
(カードローン)
10万円
三菱東京UFJ銀行 マイカーローン
(自動車ローン)
50万円

上記で、「クレジットカードとカードローンを任意整理して、自動車ローンは残したい」というケースではどうなるでしょうか?

三菱UFJニコスと三菱東京UFJ銀行はグループ会社なので1社として考えられます。

そのため、リクルートカードを任意整理するとマイカーローンも任意整理の対象となり、自動車を引き揚げられる可能性が高くなります。

車がなくなると困る人は、「クレディセゾンとプロミスのみを任意整理して、三菱グループの借り入れはこのまま返済を続ける」ということも検討しなければいけません。

2-4. 保証会社の巻き込みに注意

例えば、三菱東京UFJ銀行のカードローン「バンクイック」の保証会社はアコムです。保証会社とは?

バンクイックとアコム両方から借り入れしている場合、バンクイックのみを任意整理したくてもアコムからの借り入れ分も巻き込んで任意整理することになります。

銀行 保証会社
三菱東京UFJ銀行 アコム
三井住友銀行 プロミス
(SMBCコンシューマーファイナンス)
みずほ銀行 オリコ
(オリエントコーポレーション)
楽天銀行 株式会社セディナ
イオン銀行 イオンクレジットサービス

三菱UFJニコスのリクルートカードだけを任意整理するつもりが、「クレカ→バンクイック→アコム」のような連鎖を引き起こす恐れもあります。

2-5. 銀行系クレカは預金口座が凍結される

最後に、預金口座の凍結にも注意してください。

例えば、三菱UFJグループのクレジットカードを任意整理すると、三菱東京UFJ銀行にある口座を凍結される可能性があります。

預金を引き出せなくなるばかりか、預金が残っていれば借入残高と相殺されます。

また、給料の振り込みが三菱東京UFJ銀行の場合、身動きをとれなくなってしまうので手続き前に対処しておかなくてはなりません。

3. 任意整理するとすべてのクレジットカードは使えなくなる

カード会社は、発行審査や更新時期以外にも定期的にあなたの信用情報をチェックしています。

これを「途上与信」と言い、返済に問題のない人に対しても必ず行われます。

この途上与信で債務整理した事実がわかると、任意整理していないクレジットカードも利用停止や強制解約となり使えなくなります。

そのため、任意整理前にクレジットカードを新規で作っても、すぐに使えなくなるので意味はありません。

3-1. 途上与信の頻度はカード会社や借金状況で異なる

途上与信はカード会社が独自の判断で行っているため、カード会社ごとに頻度は異なります。

また、同じクレジットカードでも、借入や返済の状況によって頻繁に行われるケースもあります。

カード会社が途上与信すると6か月間履歴が残るので、自分の信用情報を開示すると確認できます。

私の持っているの楽天カードは3ヶ月に1度のペースで途上与信されていました。
しかし、同じ楽天カードでも2週間~1ヶ月に1度チェックされている人もいます。

「ステータス性の低いカードほど頻繁に行われる」という噂もありますが、カード会社や個人の借金状況で頻度は変わるので単純なものではありません。

また、途上与信は返済に問題がないか再チェックされているだけなので、「頻度が多いと悪い、少ないと良い」ということでもありません。

3-2. 法定途上与信

カード会社が独自の判断で行っている途上与信とは別に、法律で定められている「法定途上与信」というものもあります。

包括契約と言われるキャッシングやカードローンの借金で、下記の場合は法定途上与信が義務付けられています。

  • 1ヶ月で5万円以上の借入、かつ借入残高が10万円以上ある場合:毎月
  • 借入残高が10万円を超えている場合:3ヶ月に1度

任意整理を考えている人の多くは、キャッシングやカードローンで10万円以上の借り入れがあるのではないでしょうか?

その場合は、3ヶ月に1度は必ず途上与信で信用情報をチェックされています。

ただ、途上与信も法定途上与信も、債務者の借りすぎを防ぎ、破産者を出さないためのものです。

「停止される前に使おう」ではなく、「クレカが使えなくなっても困らないように前準備しておく」という心構えが大切です。

4. クレジットカードのない生活の送り方

今後は、あなたのクレジットカードはすべて使えなくなるので、他の支払い方法を検討しなければなりません。

ただ、クレジットカードは便利ですが、持っていなくてもそれほど生活に支障はないので安心してください。

4-1. クレカ払いはデビットカード払いに変更

デビットカードは銀行口座があれば誰でも作ることができます。デビットカードとは?

カード会社の「立て替え」が発生しないデビットカードは、審査がないのでブラックリストに登録されていても問題ありません。

年会費0円のカードも多く、利用状況で年会費無料になるカードもあります。

さらに、国際ブランド付きのデビットカードであれば、ほとんどのクレジットカード払いの代用カードとして使えます。

リアルタイムで口座から引き落とされるため、使いすぎる心配もなく、返済に追われることもありません。

4-1-1. 事前にデビットカードで支払えるか?の確認をしておくと安心

一部、デビットカード払いに対応していない店舗や会社もあるので注意が必要です。

私のデビットカードは、So-netのプロバイダ料金の支払いに対応していませんでした。
ネットを使えないと仕事にならないので、結局手数料200円で口座振替にしています。

いざ支払いとなったときに変更が間に合わないと困るので、自分のデビットカードで支払えるか事前に確認しておくと安心です。

4-1-2. 一部の高速道路やガソリンスタンドで使えない理由

デビットカードで支払うと、「引き落とし前に、この金額で決済してもいいですか?」という確認が金融機関に届きます。

そして、「買い物分の残高が口座にあれば無事に決済できる」というシステムになっています。

一部の高速道路では、この決済システムを導入していないこともあり、デビットカード発行元が高速道路では使えない設定にしている場合があります。

また、決済システムで「口座残高がいくらあるか?」という具体的な情報はわかりません。

そのため、給油後に精算するスタイルのガソリンスタンドでは「残高がないから、やっぱり買わない」と返品もできないので、デビットカード払いできない場合もあります。

どうしても現金以外で支払いたい事情があるなら、高速道路はETCパーソナルカードを、ガソリンスタンドはプリペイドカードや電子マネーなど、選択肢はたくさんあります。

4-2. 家族カードは使える?作れる?

クレジットカードには、契約者の配偶者や子供が使える家族カードを追加発行できる仕組みがあります。

この家族カードの扱いについてはカード会社によって対応が異なるため、ここでは可能性として解説していきます。

4-2-1. すでに持っている家族カードは契約更新まで継続して使える可能性あり

任意整理で使えなくなるクレジットカードは、債務整理者の名義のカードのみです。

そのため、夫や妻名義のクレジットカードの家族カードをあなたが所有していても、名義人の支払いに問題がなければ継続して使える可能性が高いと言えます。

また、途上与信も親カードの名義人のみで、わざわざ家族カードの所有者までは確認しないと考えられます。

ただし、契約更新のタイミングで家族カードの名義人の信用情報も確認され、家族カードの利用ができなくなる恐れがあります。

4-2-2. 新規で家族カードを作るのは難しい

任意整理後のいわゆるブラックの状態で、家族カードの新規申し込みをしたらどうでしょう?

基本的に家族カードの審査はなく、親カード契約者の与信に問題がなければ発行されます。

しかし、申し込み者の信用情報も見られれば債務整理の事実を知られるので、家族カードの新規作成は難しいと考えられます。

そのため、作れないとは言い切れませんが、作れない可能性が高いと言えます。

4-2-3. 親カードの契約者本人が任意整理した場合は家族カードも使えなくなる

あなたが親カードの契約者で、配偶者や子供用に家族カードを追加で発行している場合は、親カードが使えなくなった時点で家族カードも使えなくなります。

家族がブラックリストに載ることはないので、配偶者や子供名義のクレジットカードを作成しましょう。

4-3. 明細でクレカ払いを確認しよう

  • ネットショッピング
  • 携帯電話料金
  • スーパーマーケット
  • 公共料金支払い(電気ガス水道)
  • プロバイダ料金
  • ガソリンスタンド、ETC
  • 家電量販店
  • コンビニ
  • 保険料
  • 旅館、ホテル
  • 乗車券定期券、航空券
  • NHK、新聞
  • 病院
  • 税金支払い

上記はクレジットカード利用が多い支払いです。

特に、毎月自動引き落としさる支払いは忘れがちなので、カードの利用明細を確認しておきましょう。

5. クレジットカードを作れるのは5年後

任意整理後にクレジットカードを作れるようになるのは、「和解成立日から5年後」になります。※詳しくは「ブラックリスト登録期間」をご覧ください。

この5年間は、ローンや借り入れも一切できなくなるので不安もあるでしょう。

しかし、ブラック期間中は借金の誘惑に惑わされず、5年でしっかり完済を目指すことができるとプラスに考えましょう。

5-1. 2ヶ月以上の延滞がある人は「完済日」から最長5年はカードを作れない

KSC(PDF)では、延滞情報の登録期間を「完済されていない場合は完済日から5年を超えない期間」としています。

任意整理する前に2ヶ月以上の延滞があると、和解成立日から5年経っても延滞の情報がまだ残っている状態です。

この場合、完済後、5年はクレジットカードを作れないので注意が必要です。

5-2. 任意整理した会社は社内ブラックになる

信用情報の任意整理の履歴は5年で消えますが、各貸金業者や金融機関が独自で保有しているリストの情報は消えることはありません。

いわゆる社内ブラックと言われる状態で、基本的に一度債務整理した会社からは再度借り入れはできなくなります。

貸す側にしてみれば、「また債務整理されたら困る」というのも理解できます。

何年経っても借り入れできる見込みは非常に薄いので、他の金融機関を検討してください。

5-3. 申し込みブラック

「なかなか審査に通らない」といっても、短期間に多数の申し込みはNGです。

CICJICCでは、クレジットカードやローン審査の申込情報が6ヶ月間登録されます。

申し込みの履歴が残ること自体にマイナス要素はないのですが、「短期間に何度も申し込んでいる=何か事情があるのでは?」と思われ審査に通りません。

この状態を「申し込みブラック」といいます。

審査基準はカード会社の判断になるので「〇ヶ月に〇枚まで」というような言い方はできませんが、ひと月に2枚程度の申し込みなら問題はないかと思います。

時間に余裕があるなら、6ヶ月以上期間を空けてから申し込むと確実です。

6. 任意整理が周りに与える影響はほぼゼロ

任意整理があなたに与える影響は、ブラック期間は借り入れができなくなることくらいです。

財産を没収されることもないし、海外旅行も自由にできます。

では、周囲に影響はあるのでしょうか?

6-1. 家族に影響は?

家族名義のクレジットカードが使えなくなることもありません。

もちろん家族の信用情報に傷も付かないし、子供の入学進学や就職、結婚にも何一つ影響はありません。

6-2. 職場や勤務先に影響は?

弁護士や貸金業者からの電話や郵便物が勤務先にいくことはないのでバレないし、近所にも内緒にできるので影響はありません。

ただし、給料の振込先口座が凍結されてしまった場合、銀行が理由を説明することはありませんが、会社からあなたに直接確認されるので注意が必要です。

6-3. 結婚に影響は?

任意整理しても結婚や入籍には何の影響もありません。

「住民票や戸籍に債務整理と記載される」などという情報もありますが、100%デタラメです。

ただし、新居に移るさいに光熱費などの支払いでクレジットカードがないことや、自動車や住宅ローンを組めないことでバレる恐れはあります。

そのため、秘密を持ちながら生活を送るよりも、相手に理解してもらってから結ばれることの方がずっと幸せだと思います。

6-3-1. 性が変わってもカード審査は通らない

婿入り、嫁入りで性が変わってもクレジットカードを作れるようにはなりません。

カード会社は、生年月日、住所、電話番号、勤務先、身分証明書などなど、旧姓の情報から「同一人物である」と判断できます。

名字が違うから、信用情報がまっさらな別人物にリセットとはならないのです。

7. 絶対にやってはいけないこと3つ

「クレジットカードが使えなくなる前に商品を買っておこう」と考える人もいるかもしれませんが、絶対にNGです。

任意整理の前に買い物したり、借り入れすると「初めから支払う気がなかった」とみなされます。

商品の返品で済めばいいのですが、最悪の場合、任意整理に応じてもらえなくなります。

その他にも知っていてほしい、絶対にやってはいけないこと3つを解説します。

7-1. 他人名義のクレジットカードの利用

カード会社の利用規約に「署名欄に自署した会員本人以外は使用できません」というような文言が明記されています。

夫や妻など、どんなに身近な家族でも契約者本人以外はクレジットカードを利用できません。

規約に違反した場合、「当該未払債務の全額をただちに支払う」などが書かれています。

7-2. クレジットカードの現金化

現金化業者が増えていますが、クレジットカード会社は「現金化を目的としてショッピング枠の使用」を利用規約で禁止しています。

また、日本クレジット協会では、現金化によって犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性があると注意喚起しています。

7-3.「ブラックOK、審査が甘い」からの借り入れ

ここまで解説した社内ブラック、申し込みブラックはあくまで会社単位での対応になるので、申し込み先を替えれば借り入れできるケースもあります。

しかし、信用情報に「債務整理」の記録があるうちは、正式な貸金業や金融機関ならどこからも借り入れできません。

つまり、「ブラックでも融資可能」や「審査が甘い」とうたっている業者は、闇金や詐欺業者です。

絶対に手を出さないでください。

8. 成功失敗は弁護士の腕次第

任意整理は、債権者に対して「このままでは返済できないので、利息のカットや返済期間の延長をしてくれませんか?」と交渉して、借金の完済を目指す手続きです。

任意というだけあって、債権者はこれに応じる義務はありません。

そのため、あなたにできるだけ良い条件で和解成立させるには、実績や知識が豊富で、高い交渉力がある弁護士に相談しなくてはなりません。

8-1. 弁護士は、個人再生や自己破産も考慮して最善のアドバイスをしてくれる

任意整理は借金残高を3~5年で返済する借金解決法です。

そのため、分割しても完済できないと考えられるケースや、収入がなくて返済できないケースでは、個人再生もしくは自己破産という選択肢もあります。

個人再生なら借金を1/5程度まで減額、自己破産なら借金をゼロにすることが可能です。

ただし、借金解決の効果が大きい分、ブラックリスト期間が5~10年になったり、財産の処分する必要もでてきます。

個人で判断するのは難しいので、弁護士に相談して、あなたの状況に合わせた最適なアドバイスをもらいましょう。※「5分でわかる!良い弁護士の探し方」もご覧ください。

9. まとめ

  • 任意整理で月々の返済の負担は大幅に減る
  • すべてのクレジットカードは使えなくなるが、デビットカードで代用できる
  • 5年間ブラックリストに登録されるが、借入できなくなるので完済が近づく
  • 任意整理前に延滞がある場合は「完済日から5年」
  • 債権者との和解が必要なため交渉力が高い弁護士に相談する